「なんだかねぇ、止まらなかったんだよね」
「そう、そうなんだよ! なんかわっとなっちゃって」
「考えるより先に行動がってやつ? 顔見たらついつい」
「そうそう――や、ルルーシュが殴りたい顔してるとか日頃の恨み辛みがってんじゃねーからな!?」
「あっは! そりゃ僕だって勿論そうだよぉ! こんな綺麗な顔、傷付けたいワケないもん」
「せんせー、それセクハラ。まぁ恨み辛みって線も、ロイド先生ならありえねっスよね。ストレス与える側ですもんね」
「言うねリヴァル君。自分は恨み辛み持ってますって自白してるようなもんじゃなぁい?」
「違ッ! ただ何かこう、いきなりモヤモヤっと悔しいのと嬉しいのとでしっちゃかめっちゃかになっちゃって」
「客観的にみるとやっぱそれ恨み辛みだよね。おかしいなぁ、少なくとも僕、そんなことキミにされた覚えないんだけどなぁ」
「俺だって! ……でも、恨み辛み? え、改めて考えると何これすげー複雑な感情」
「悔しいのに嬉しいんだもんね。人間の矛盾か、我ながら理解に苦しむね」
「先生も人間だったんですね……」
「困ったことにね。もしかしてルルーシュ君、前世で僕たちに恨まれるようなことでもしたんじゃないの? そのまま去っちゃったとか」
「うわ、ロイド先生の口から前世とか! なぁルルーシュ?」

話を逸らすな! と憤るかと思われたルルーシュは、今にも泣きそうな顔になってふたりを驚かせた。






08.10.01