「お疲れ様、兄さん」
「ロロ。迎えに来てくれたのか?」
「うん、当然でしょ。でも本当によかったの? これで兄さん、世紀の大悪人になっちゃったんだよ? みんな兄さんの苦労も知らずに浮かれて……勘違いしてる人間、ひとりずつ殺して来ようか」
「やめてくれ、お前、俺が何のために死んだか理解しているか?」
「まぁまぁ、ロロはルルのこと大好きなんだよ。ルルが誤解されたままなのが悔しいんだよね」
「シャーリー」
「だけどきっと、会長とリヴァルは判ってくれたと思うな。だってふたり共、ルルのことよく知ってるはずだもん」
「そう、かな。もしそうだとして、そのせいで二人が苦しまなければいいが」
「しかし、よかったのか? あやつに後を任せて来て」
「不安ですか、桐原公? いや、不満かな? 悪かったとは言いませんよ、あれはスザクも望んだことだ。ゼロを、きっとやり通してくれる」
「ふん……ま、果てた身でどうこう言っても仕様がない、精々高みの見物でもさせて貰おうかの」
「そうして下さい。……ところで、クロヴィス異母兄上は何故号泣しているんですか」
「ぐずっ、ルルーシュ……何故だい、何故走馬燈に私の姿が1シーンも浮かばないんだい……ッ!?」
「……浮かんだでしょう、1シーンくらい」
「嘘だッ! 浮かんでいなかったよ、多分!」
「確信はないんですね。じゃあコマ送りでもして確認してから文句言って下さい」
「賑やかだね。あーあ、どうせならシャルルもここにいたらよかったのに」
「V.V.、父上は俺の母上と、Cの世界もろとも消滅しただろう。無茶を言うな」
「そんなことよりさぁ、C.C.だよ。可哀相じゃないか、取り残されて結局前のままだ」
「ああ、あいつには悪かったと思ってるさ、マオ。だけど許してくれたからな。お前の命だ、お前の好きなように使え、と」
「そして、その命で恐い世界の幕を閉じたのね。この先が優しいようにと祈りを遺して」
「俺はそこまで善人じゃないさ、ユフィ。ただ世界を壊し、創っただけだ。後のことは彼らの好きにするといい」
「よく言うわ、丁寧に種まで蒔いておいて!
 ふふ、でも、そんなあなただから、みんなあなたが大好きなのよ!」

愛してくれてありがとう。愛してる、ルルーシュ!






08.09.30